• アイドルというフィクション

    by  • 2013/02/07 • 48G • 0 Comments

    0a457c73-sAKBグループの鉄の掟とも言われる「恋愛禁止」だが、去年の1月からのAKB48を顧みると、1月の平嶋夏海、米沢瑠美に始まって、6月の指原莉乃、9月の佐藤亜美菜、近野莉菜、11月の増田有華、今年に入って1月小林香菜、そして先週から今週にかけては、峯岸みなみ、柏木由紀、北原里英、高城亜樹と過去の交際が明るみに出たものや、噂レベルのものが含まれているとはいえ、随分と脆い鉄もあったものだ。
    わざわざ掟だと公言しなくても、もともとアイドルの恋愛禁止なんて不文律みたいなもので、昔からそうだったんじゃないかと思う。恋愛を表に出すのは、アイドルを降りるときか、結婚するときがほとんどだった。とは言っても、当然年頃の若者だから実際には遊びもすれば恋もする。昭和61年に岡田有希子が四谷のサンミュージックのビルから飛び降り自殺した原因は恋愛の悩みだと報道されたし、平成元年には中森明菜が近藤真彦のマンションで自殺未遂するという事件があった。それでも、昔のアイドルは基本的にはテレビの中の人で、現実の世界とは一線を引いた「アイドルの物語」を演じていたのではないかと思う。だから、最近のバラエティ番組で昔のアイドルが実はあの頃誰々と誰々が付き合ってたとかの暴露話をするのは、手品の種を見せるのと同じような趣味の悪さを感じてあまり好きになれない。
    秋元康は、おニャン子クラブでそうしたアイドルのあり方を踏襲しつつ、大人数のアイドルグループとして擬似的に私生活の一部を垣間見させることによって、もっと生々しい存在として感じさせることに成功したのだと思う。
    そして、秋元康は、おニャン子クラブから20年経って、そのやり方をブラッシュアップしたAKB48を作った。ただ、はじめからテレビに乗っかったおニャン子クラブはすぐに人気が出たが、秋葉原の劇場からスタートしたAKB48はゆっくりとしたペースで人気を上げていったところが大きく異る。
    余談になるが、20年近く前、僕はよくキャバクラに通っていた。その当時、よく行っていた池袋のTAROという店でウェイターをしていたのが戸賀崎氏だった。握手会で支配人部屋に行って戸賀崎氏と話をしたのだが、驚いたことに、彼は僕のことをよく覚えていて、昔話に花を咲かせてしまった。そのことは置いといて、戸賀崎氏が言っていたのは、「AKBがここまで売れるとは思ってもいなかった。」「結局、キャバクラと似たようなシステム」「キャバクラに比べれば、女の子が突然バックレたりすることがない分楽。」ということで、いい年した僕みたいな男が興味を持つのも宜なるかなと思った。AKBのシステム自体がキャバクラ的であるのは、戸賀崎氏が認める通りだが、TAROでは、店舗の前方に用意されたステージで人気のある女の子が歌ったり踊ったりするショータイムというのがあって、これがAKBの公演に影響を与えているのは見た感じ間違いないと思う。ショータイムは全員で売ったたり踊ったりするパート、セクシー衣装のパート、「コケ」(コケティッシュの意だと思われる)と呼ばれるちょっとかわいらしい感じのパート、一番人気の子がソロで歌うパートと別れており、劇場公演の構成と概ねかぶる。そうした、キャバクラに通っていた僕からすれば、アイドルはキャバクラの擬似恋愛と同じで、所詮虚構の世界なのだから、いくらAKBが「会いにいけるアイドル」といっても、その私生活で恋人がいただのなんだので、悲しむ必要もないと思うのだけど、それはまだアイドルオタクになりきれていないということなのかもしれない。そうはいっても、きれいな物語を提供するのがアイドルの勤めなんだから、バレた場合に責めようとは思わないけれども、見つからないようにやってくれよな、とは思う。こんなことを話したら、戸賀崎氏からは「アイドルのファンとしては純粋じゃない」と言われた。まあ、これは、僕が歳をとったせいもあって、キャバクラに通っていた当時は店の女の子と本気で付き合えないかと思ったりもしてたのだけど。
    さて、今のアイドルと昔のアイドルで大きく違うのは、メディアの発達だ。昔もFRIDAYやFOCUSなどの写真週刊誌や女性誌は芸能界のゴシップが大好きだった。だから、そういう方面に見つからないように気をつけるのはアイドルとしてやらなければならないことだ。しかし、今はインターネットが普及していて、パソコンは勿論だけど、携帯電話からでもツイッターやブログにすぐに投稿できてしまうし、投稿された内容が広まるのもあっという間だ。つまり、今のアイドルは、自宅にいるとき以外どこで見られているかわからないという点で、昔のアイドルよりも少し大変なんじゃないだろうか。さらにAKBの場合は、昔のアイドルよりも意図的に垣根を下げているので、現実と虚構の狭間が分かりにくくなっている人もいるかもしれない。また、ブログやGoogle+、モバメなどでメンバー自ら発信するようになっているが、メンバーによってメディアリテラシーにも差があるので出すべきでない情報を発信してしまうケースもあると思う。外で見たアイドルの私生活をネットに拡散したり、出版社に売るのは一部の人だと思うけれども、あくまで物語として、寛容にを楽しめるといいと思う。まあ、そこまでのめり込む人がいてこその今の売上ということを考えれば、運営側は今のままでいいと思っているかもしれないけど。

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